Archive for 9月, 2010
焙煎したコーヒーのミルとドリップ
2010/9/22
コーヒー豆から飲料としてコーヒーを抽出するドリップ
これも味わいを左右するとても大切なプロセスです。
焙煎した豆をミルする細かさでも味は変わりますし、
ドリップするお湯の温度や、お湯の注ぎ方でも味がかわってきます。
それでは、ミルとドリップでのコツについてご説明します。
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●焙煎生豆を挽くミル道具について
この写真の機械、カフェとかで見かけたことありませんか?
これはその小型版です。
マスターも初心者の頃は、ミキサーの粉砕器を使っていたのですが
この電動ミルを使い始めてからは、これが手放せなくなってしまい
キャンプにまで持って行く程です。
それ程までに、ミルの仕上がりで旨みの出方が違うのです。
もし可能であれば、ぜひこのミルを買ってみませんか?
焙煎生豆をすりつぶして細かく挽くのではなく、カッターで希望の細かさに
カット挽きしてくれるプロ仕様です。
せっかく丹精込めて煎った生豆は、思う存分旨みを抽出してあげたいものです。
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たぶん、ココ↑のが一番安いと思います。※現在メーカー生産終息となったようです。
このシルバータイプが受け皿の取り扱いが楽でオススメです。
※当店では基本的に機材の販売はおこなっておりません。
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●豆の挽き具合について
ドリップの方法も様々ですが、一般的にはペーパードリップでしょうか?
ぱんだはハリオのペーパードリップです。
この場合は、一般的に中挽きにミルします。
この位置を基本に、苦味を強くだしたいなら、より細かく挽く。
または、酸味を強くだしたい場合は、より粗びきにする調整をします。
コーヒーの粉は、お湯に接した最初は酸味から抽出されはじめます。
お湯に接する時間が長くなるにつれ、苦みも抽出されていくため
粗びきにすると、お湯にさらされる部分が少なくなるため
酸味が多く、苦みが少なく抽出されるのです。
この原理は、次のお湯の注ぎ方でも応用できるので憶えておいてください。
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●コーヒーのドリップ
いざドリップの段階でも、儀式やコツがあります。
まず挽いたコーヒーの粉は、ドリッパー上で平らになるようにしてください。
注意したいのは、平らにするのにあまりドリッパーをコツコツとたたかないように。
コツコツすると、コーヒー粉の目が詰まりすぎて、抽出に影響してしまいます。
コーヒー粉の量は、コーヒーサーバーに表示されている1杯分が10g
2杯分が10g+8gの18g
と以後、1杯増えるにつき8gずつ増やしていくのが通例ですが
これは、そのままコーヒーの濃さに影響しますので好みで調整してください。
ちなみにぱんだの好みは濃い目です。
普段の自分飲みの場合は、コーヒー30gでサーバー表示の3杯分(400cc)で淹れています。
しっかりと風味と味わいを出したいので、1杯飲む時でも
コーヒー30gで3杯分を淹れます。
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ドリッパーの準備ができたら、次に大切なのが注ぐお湯です。
普通、沸騰したてのお湯はそのまま使いません。
一度コーヒーサーバーに移して、またコーヒーポットにお湯を戻してやります。
こうすることで、沸騰したてのお湯の温度が85度前後に冷ますことができます。
そう、ドリップの時のお湯の温度も、コーヒーの味に深くかかわってきます。
お湯の温度が高ければ、苦み成分が多く抽出されます。
お湯の温度が低ければ、酸味成分が強くなります。
一般的には85度前後でドリップされる場合が多いです。
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さあ、感激の瞬間がやってきました。
お湯を注ぎます。
すると、コーヒーが生きているように、ふっくらと盛り上がります。
毎日、何度みても感激できる瞬間です。
本当に焙煎したてだからこそ味わえるこの瞬間は、嬉しいものです。
お湯を注ぐ基本だけご説明しましょう。
1.できれば細いお湯を注げるコーヒー専用ポットを使ってください。
2.細いお湯で、やさしく蒸らし用に注ぎます。
(サーバーに少しコーヒーが落ちるくらい注ぎ、30秒間待ちます)
3.後は皆さん流の好みで抽出してかまいませんが、粉とフィルターの境目にはお湯を当てない方が良いです。
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焙煎してから何日か寝かした方が良いという場合もありますが
マスター的には、焙煎即、ミル&ドリップです。
さあ、誰しもが味わえるわけではない、至福の時間。
本当に美味しいコーヒーを満喫してください。
なんという幸せでしょうか。
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自家焙煎の方法
2010/9/17
さあ、いよいよ焙煎です。
欠点豆のハンドピッキングはしましたか?
美味しいコーヒーを焙煎するのに大切なことですので、必ず欠点豆の除去はおこなってください。
①生豆の計量
これから焙煎する生豆の量は、きっちり計りましょう。
生豆は焙煎すると、水分が飛び10%前後重量が減ります。
この減少分を見越して、焙煎する生豆の量を決めてください。
②基本の軍手
手網焙煎をするのに、軍手は必須です。
小型網なら片手で大丈夫ですが、大型網で生豆の量が多くなると片手では耐えられません。
両手に軍手が必要となります。
③手網焙煎の基本
焙煎の流れは、炙っていくと
1.生豆が黄色く色づいてきます
2.一ハゼがおき、バチバチと大きめの音がします
3.二ハゼをおき、ピキピキと小さめの音がします
この三段階が大きな目安となります
コンロの火力は最大にして、火加減は手網の高さ(火からの距離)で調整してください。
火力により変わってきますが、だいたい家庭コンロの場合は、
炎から10cm前後を目安としてください。
火に近すぎると、焦げてしまいますし、遠すぎると美味しくない薄っぺらい味の焙煎となってしまいます。
理想は、焦げる手前の距離です。
失敗を重ねながらになりますが、各自の環境に合った距離を探ってみてください。
④手網焙煎の時間目安とコツ
焙煎にかかる時間は5分~20分と、使う手網や生豆の種類と量によって変わります。
目安例:(ブラジル生豆洗いなしで、2ハゼまでの時間)
・小さい手網で50gは5分
・小さい手網で100gは約8分
・大きい蓋付き手網で100gは約6分半~7分
・大きい蓋付き手網で200gは約13分
手網焙煎の場合、業務用焙煎器とは美味しさの出し方が違ってきます。
じっくりゆっくりと煎れば良いというわけではありません。
時間がかかりすぎると、風味の飛んだ薄っぺらな味になってしまいます。
2ハゼが鳴りだすまでは、手早く一気に仕上げるのが、手網焙煎のコツです。
2ハゼ後は、少し火から遠ざけ焙煎された豆をふっくら仕上げてやります。
(蓋付き手網の場合は、たまに蓋を開けて水蒸気や煙を逃がします)
⑤アドバイス
・自家焙煎入門
はじめて自家焙煎に挑戦する場合は、まずはブラジル生豆を試してみましょう。
比較的容易に焙煎できる生豆と言われているように
焙煎の方法にムラがあっても、焦がさない限りある程度まっとうな味に仕上がります。
・コツの習得
ブラジル生豆で自家焙煎になれたら、一気に難易度はあがりますが
マンデリン生豆への挑戦をオススメします。
マンデリン生豆の場合、できれば蓋付き手網を使ってください。
正直、最初は難しいと思います。
焙煎の具合で、ものすごく酸っぱく仕上がったり、薄っぺらな味になったりと
とても極端なできばえとなります。
だからこそ、自分の環境での焙煎具合がうまくいっているのか?
ベンチマークとして、腕試しができます。
出来上がりの理想は、口に含んで鼻に抜ける芳醇な香りが出せると大成功です☆
2ハゼから1分ほどで火から下ろすと最高に香る場合が多いです。
この芳醇な香りは、何かのハーブのような、何とも言えず豊かな酸味が鼻に抜けます。
味の好みは人それぞれですし、皆さんの使う器具や環境も様々ですので
マニュアル通り焙煎すれば美味しいコーヒーに仕上がるとは限りません。
最終的には、皆さんの好みが一番ですし、こうでなければいけない
という事は全くないのです。
とにかく、焙煎すればするほど、新しい発見や驚きが目白押しですから
どんどんのめり込んでしまいます。
自分なりでかまいません。
これはウマイ!最高だ!と思えた瞬間は、本当に贅沢で幸せな気持ちになります。
ぜひ皆さんと、この気持ちを分かち合えたらとても嬉しいです。
コンロの火力を強化します
家庭用のコンロや、カセットコンロの火力を上げる方法があります。
大きな空き缶を利用して、コンロに囲いをすることで、熱を集中化させることができ
風にも影響されないので、常に熱を焙煎網に集中させることができます。
また、煙突効果で勢いのある熱が発生します。
それでは、コンロ用の煙突を作ってみましょう。
①缶のカット
缶の底面を缶切りで、切り取ってしまってください。
大きな筒になりました。
次に、底面側の裾にハサミで切り込みを入れます。
②空気穴を作る
切り込みを利用し、十分な空気口を開けてください。
この空気口によって、コンロの不完全燃焼を防ぐとともに、煙突効果が発揮されます。
③コンロにセット
コンロに煙突をセットすると、ゴォーという勢いのある炎が発生します。
このコンロのターボ化は、焙煎度合いの好みですので、必ず必要なものではありません。
例えばマンデリン生豆などは、火力が強すぎると風味が飛んでしまい
とても薄い味になってしまいます。
実現したい味と相談しながら、火力をうまくコントロールする必要があります。
火力もコーヒーの味わいに大きく関係することを憶えておいてください。
生豆の洗い
生豆は焙煎前に洗うことができます。
洗う、洗わないは、人それぞれの好みの判断でかまいません。
●生豆洗いのメリット
細かなゴミや、生豆の薄皮を取り除くことができるので、焙煎の時にチャフが出なくなります。
●守って欲しいこと
洗いの作業は5分以内で済ませてください。 つけ置きなどはNGです。
生豆が水分を吸ってふやけてしまわないよう注意が必要です。
洗った生豆はすぐに焙煎することが大切です。
それでは、生豆洗いの流れをご説明しましょう。
①薄皮をとるゴシゴシ洗い
キッチン用品コーナーで売っている、水切り網袋が最適だと思います。
網の中に焙煎するだけの量を入れ、強い水流をあてながら、ゴシゴシとこすり洗いをします。
薄皮が取れていることが確認できます。
②目の粗い網で仕上げ洗い
さらに目の粗いザルで洗い、大きなゴミや薄皮を洗い流します。
③水分を拭き取ります
清潔なタオルや、ふきんを用意しておき、洗いの終わった生豆からすぐに水分を拭き取ってくさい。
ここまでの洗い作業をできるだけ手早く済ませます。
④すぐに焙煎
洗った生豆は、すぐに焙煎を開始して水分を取り除きます。
焙煎を開始する時間が遅いと、生豆がふやけてしまいますので注意してください。
それでは、美味しい生豆焙煎になるよう検討を祈っております。
各生豆の欠点豆
2010/9/16
生豆の種類によって、色も形も千差万別
欠点豆も色々で、はじめはハンドピッキングも、かなり難しいと思います。
少しでも皆さんの助けになればと、各生豆の欠点豆を掲載しています。
●キューバ生豆
生豆の色が白いので、未成熟豆を見極めずらいです。
未成熟豆は焙煎後に色づきが悪いものを取り除きましょう。
●トラジャ
虫食いは少ないです。
●キリマンジャロ
欠点豆は多めです。
●ハワイコナ
虫食い、欠点ともに少ないです。
●ホンジュラス
欠点数量が多めです。
●ジャバ
単豆(ピーベリー)と小豆が多いです。
●マンデリン
発酵豆、虫食い豆が多めです。
●ガテマラ生豆
虫食い豆は少なめで、未成熟豆が多めです。
●コロンビア
虫食い豆も少なく、欠点数が少ないです。
●ブラジル
虫食い豆は少なく、欠豆が多いです。
ハンドピッキングの準備(道具)
ハンドピッキング用の道具といっても、ほんとは何でも良いのですが
マスターのお薦め品がありますので、参考にしてください。
家にあるお皿とかでも、もちろんOKですが、私の場合は
「100円ショップの銀トレー」
何より安いのが良いのですが、ずっと手を突っ込むところなので
トレイのサイズの高さが低いのが、とても助かります。
そして、何よりオススメなのがこの一工夫
「滑り止めシート」
このシートをカットしてトレイに敷けば、ハンドピッキングに最適な環境のできあがり
銀トレイなど、底面がツルツルしてますと、生豆がなかなかつかめませんし
ひっくり返すのもたいへんです。
すると、ついつい生豆の片面しかチェックしなくなるので、欠点豆が残ったり
2度、3度と、ハンドピックを繰り返すことになってしまいます。
滑り止めシートを敷いておくと、何より生豆がつかみやすい!
そして、生豆をコロコロと転がせて、生豆の裏側も確認できるようになるのです。
これのおかげで、一度きりのハンドピッキングで、きっちりと欠点豆をピックできますので
よかったら、皆さんも試してみてください。
欠点豆のハンドピッキング
生豆を焙煎する前には、必ず生豆から欠点豆を取り除きます。
この作業を一般的に生豆のハンドピッキングといいます。
だいたい、生豆を100gピッキングすると、5g~10g程の欠点豆を取り除くことになります。
生豆の種類にもよりますが、5%~10%は捨てなければいけないことを覚悟してください。
この作業で、コーヒーの思わぬ臭みや、雑味を防ぐことができる大切な取組です。
更に均一な味を追求しようと、スペシャリティ並にピッキングをおこなうと
生豆の種類によっては、40%も取り除くことがあります。
ピッキングの割合は、人それぞれの好みもありますので、先にあげた割合に
こだわる必要はありませんが、下記のものは最低限ピッキングしましょう。
・石などのコーヒー豆ではない異物
・発酵豆(黒豆含む)
・虫食い豆
・カビ豆
生豆のピッキングを始めておこなう時は、虫食い豆くらいしかわからないと思います。
よーく多数をしめる他の生豆と色や様子が違うものを、ゆっくり見分けて
もし迷ったら、ピッキングでよけてしまってください。
何事もなれと経験で、ピッキングも数多くおこなっていると自然と手が仕分けしてくれるようになってしまいます。
皆さんもそれまで辛抱強く生豆とのご対面を楽しんでください。
それでは代表的な欠点豆をご紹介しましょう。
①異物
石は混入していることが多いので特に注意してください。
時にはこのようなネジや、外国のお金が入っていたこともあります。
②欠豆
欠けていたり、大きく変形しているものです。
焙煎ムラになりますので、取り除いてください。
③貝殻豆
欠豆の一種ですが、発育不良などの生豆です。
よく混入しているので、焙煎ムラ防止のために取り除いてください。
④虫食い豆
蛾の幼虫がコーヒー生豆に穴を空けたものです。
よく混入していますので、できるだけ完全にピッキングしてください。
コーヒーの異臭や雑味の原因となります。
まれに幼虫も見つかることがありますが、なま物ですので我慢して退治してください。
⑤未成熟豆
ヴェルジと言われます。
青臭い香りを発する原因となり、とても不快なコーヒーとなるので必ず取り除いてください。
⑥発酵豆
発酵してしまっている生豆です。
異臭の原因となるので、必ずピックしてください。
⑦黒豆
生豆が完全に発酵してしまったものです。
異臭の原因になりますし、目立ちますので必ず取り除いてください。
⑧カビ豆
カビが発生してしまったものです。
割れ目部分の青カビなど、発見しずらいので注意してください。
⑨死豆
完全に生気がなく、白に近い色となっています。
焙煎後に薄い色で残ってしまうのは、大抵この死豆なので取り除いてください。
⑩ピーベリー
ピーベリーと呼ばれる単豆で、普通コーヒー豆は果実の中に2つ一組で入っていますが、
この豆は果実の中に一つだけで入っているものです。
欠点豆という程のものではありませんが、他の生豆と焙煎の度合いが違ってしまうため
取り除くことが多いです。
逆のこのピーベリーだけを集めたコーヒーを好む場合があり、高値で取引されます。
皆さんもこれを集めて、お楽しみのスペシャルコーヒーを味わってみてください。
すぐれもの蓋付き煎り網
2010/9/4
SA手煎り焙煎器(煎り網):丸型(BGV1601)
網部分直径:208mm 深さ:98mm 重さ:450g
市場価格:5,000円~8,000円程
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この煎り網は良いですよ!
ちょっと重いですが、それだけの価値はあります。
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少しばかり大柄です
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底の部分は網になっており
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なんと!蓋ができます。 しかもガラスで中が見えるので煎り具合が確認できます
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焙煎できる生豆の量は100g程が丁度良いのではないでしょうか。
(200gでも十分焙煎できますし、50gなら短時間で仕上がります)
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火を入れてすぐは蒸発する水分でガラスがくもりますが、すぐに消えてきます
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100gを焙煎するのに、6分半~7分程です。
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この煎り網焙煎器は、網鍋を円形に振って焙煎することができます。
網鍋の中3カ所の出っ張りが、うまいこと生豆をかくはんしてくれるので
横にシャカシャカふる網だけタイプより、随分と楽です。
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それでも他にご紹介しているものより断然網自体が重いので、5分も振っていると
腕がだるくなって、7分が限界でしょうか?(一般的男性の場合)
そういう意味もあり、100g焙煎が丁度良い感じです。
200gとか焙煎する場合は、
ぜひ、軍手を両手にはめて、左右かわるがわる持ち替えて煎ってください。
二の腕あたりの良いシェイプアップにもなるかもしれませんね!
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とにかく、この生豆焙煎器はオススメです。
煎り網だけのものに、アルミホイルで蓋をするより、更にもう一歩
すばらしい風味を出すことができます。
ちょっとお値段がしますが、何百万円もする業務用の焙煎器に負けない
ローストができます。
もちろん、生産量は違いますが、飲みたいだけ煎るなら断然コレです。
ちなみに蓋の取っ手は、ほとんど熱くならないので、素手での頻繁な蓋開け調整も大丈夫です。
初心者向きの煎り網選び
2010/9/1
コーヒー生豆を焙煎するのに必須なのが煎り網
写真左から、
①味道 丸形煎り網 直径223mm 高さ50mm 重さ339g
②100円ショップ販売品 直径 高さ 重さ
③TSステンレス煎り網 直径外13mm(底部約10) 高さ30mm 重さ
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結論から申し上げると、初心者の方には②の煎り網
コツが分かってきたら、③の煎り網がオススメです。
それぞれの特徴など②→③→①とご説明しましょう。
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②100円ショップのザル網 費用:105円
まずはコレから始めましょう!
選ぶポイントは網が小ぶりで、持ち手が長く、軽いこと
持ち手が無いやつはNGですよ。店主も試した事がありますが熱くて無理でした。
なぜ、この簡易なザル網がいいかというと、蓋が無いからなんです。
蓋が無いと、炎に炙られて変化していく生豆の様子が良く見えます。
ただ煎るときは、煎りむらが出ないように、網を振りますから生豆がこぼれたりもします。
でも、最初はよーく生豆が色づいて変化していく様子を観察して欲しいと思う。
何より、コーヒー色になっていく過程が楽しいのです。
煎れる生豆の量は、30g程まで
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③TSステンレス煎り網 費用:1,000円~1,500円程
焙煎の出来上がる時間とかが分かりだしてきたら、この蓋付き煎り網が使えます。
蓋をするので生豆をこぼさず、少し気楽に焙煎ができます。
生豆がこぼれる心配がないので、網も良く振ることができ、煎りムラも少なくできます。
しかも、網の底面に段々が施してあるので、生豆が良く回転してくれます。
ただ、最初は不安かもしれません。
蓋の部分も網ですが、生豆の色づき具合が分かりづらいのです。
でも、今度は音で焙煎具合を判断します。
そう!目で判断しなくても、生豆が出す音で煎り加減が分かるようになります。
そうすると、飲みたいコーヒーの分量だけ、飲む直前にササッと焙煎できます。
なんとも贅沢ですね!
煎れる生豆の量は、50g程まで
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①味道 丸形煎り網 費用:2,000円~4,000円程
一度にたくさんの生豆を焙煎したいとなると、この大型網になります。
ただ、家庭用コンロで煎るには少し難しいかもしれません。
というのも、網の大きさに比べて、コンロの炎が小さすぎでしょうか?
はい、少し小さいので、網の中の生豆が冷えてしまわないように
真剣に集中して網を振ってください。
コーヒー豆の焙煎は、焦がして色づければいいというわけではなくて
生豆の水分を完全に飛ばしてやるということも重要なのです。
この大きめな網で楽をしたい場合は、火の面積を大きくするという手があります。
よくお料理屋さんで目にしませんか?
そうです、これの導入も良い考えです。
鋳物コンロ 炎が2重、3重と大きな面積で立ち上るので、大きな網でも
楽して焙煎を仕上げることができます。
ここまでハマルと、なかなかカッコイイと思う店主でした。
煎れる生豆の量は、200g程がオススメです
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奥の手:
一通り、煎り編みのご説明をさせていただきましたが、
共通して奥の手があります。
それは、これらの焙煎網をすっぽり覆うようにしてアルミホイルをかぶせて
焙煎をしてみましょう!
今まで火力は網を通り越して全部抜けて、生豆は直火の力だけで煎られたわけですが
蓋を作ることで、火力の熱を有効に使うことができます。
仕上がりの風味も、驚くほど変わりますので、直火だけでの焙煎になれたら
ぜひ奥の手にも挑戦してみてください。
生豆煎り網の奥の手(改造)
煎り網だけでの生豆焙煎に慣れてきたら、更に味への欲求が増すはずです。
・もっと上質で風味豊かな酸味が出したいな
・もう少し苦味を抑えたいな
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これらのコーヒーに対する夢を実現するには
1.望みの特性を備えたコーヒー生豆を選ぶ
2.コーヒー豆をブレンドする
という方向にいってしまいがちですが、「ちょっと待ってくださいね!」
焙煎の仕方、煎りローストの仕方でも、ぜんぜん違う味や香りが出せるのを試してみましょう。
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煎り網だけで焙煎をすると、やっぱり網ですから、炎の熱は生豆を通り抜けたら
それっきりどこかへ消えてしまいます。
より水分を飛ばしてカラッと仕上げたい、深くローストしたいと思うと
炎の直火だけに頼るので、どうしても炭焼き風の苦味や渋みが前面に出て
どの生豆を使っても、似たような味や仕上がりになってしまうのですね。
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そこで!煎り網に蓋を付けましょう!
用意するものは、
・アルミホイル
・クリップ
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1.まずはアルミホイルを煎り網より大きめにカットしてかぶせます
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2.煎り網の横面を覆うように形を整えてください
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3.焙煎中に吹き飛ばないよう、煎り網とアルミホイルをクリップで留めると
できあがり!
この蓋を取り付けることで、炎の熱がより多く生豆に活用されます。
蓋をしない場合に比べて、生豆の温度も上がってきますので
焦がさずに、より水分を飛ばし生豆の化学反応を引き出せるのです。
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ただ、煎りローストの具合が目で確認できないので
網だけ焙煎に慣れて、生豆が発する音で煎り具合が分かるようになったら
ぜひ、この次のステップ蓋付き焙煎に挑んでみてください。